hiro.Hasegawaの気紛れブログ


by hirop

<   2015年 03月 ( 2 )   > この月の画像一覧

 最初にお断りしておくが、この場は僕の好き勝手な意見や感想を書くところである。したがって、以下で述べる感想も当然、僕の主観である。
 各組織、機関、上下関係、友好関係その他一切のしがらみはない。
 当然、苦情も言い訳も一切受け付けませんので、あしからずw


 2015年2月に開催された、2014年度の「大阪芸術大学 写真学科卒業制作選抜展」。
 「選抜」というくらいだから、選りすぐられた作品群が展示されているわけだ。言わば、大学の教育成果お披露目の場、ってことでもある。


 会場は大阪/梅田のキヤノンキャラリーとニコンサロン。例年のことだが、フロア面積と出品点数の関係で、2会場に分けて行われる(僕としては、出品数を減らして1会場にまとめた方がよいと思うが)。
 ニコンサロンの展示については「その1」に書いた。あちらは僕の感想ではなく単なる事実だが、僕の感想はそこから読み取っていただければよい。
 ここでは、キヤノンギャラリーの展示について僕の個人的な感想を述べる。再度念を押すが、あくまで『個人的』なものだ。こんなことを言っちゃあまずいかな、ということもあるかもしれないが、個人の感想なのだから、そんなこたぁ知らん。


 会場に入ってびっくりした。真っ暗。黒い壁に掲げた作品群には、スポットライトがひっそりと当たっている(白い光のように見えるが、明らかに薄い橙色で、作品全体ではなく、隅の方は暗くなっていた)。
 入口の受付コーナーに、会場当番のH君がスーツ&ネクタイ姿で立っていた。いつもながらのにこやかな笑顔で迎えてくれたのだが、お通夜の受付みたいに見えてくる。それほど照明が暗い。
 なぜこんな、場末の酒場みたいな照明にしたのだろう? 学生の希望だとしたら、展示と照明について再教育が必要だ。この調子で卒業して、個展でも開かれてはたまらない。


 写真、特にモノクロ写真は濃淡の階調(トーン)が命。暗い照明では、最暗部から最明部までの豊かな階調が再現できない。室内が暗ければ、最も明るいはずの「白」がグレー(今回の場合なら、周囲より少しだけ明るい橙色)になってしまう。
 カラーはさらに悲惨だ。環境光のバイアスがかかっているものだから、本当の色がわからない。特にインクジェットのプリントは、照明の光源によって色の傾向が大きく変わる。用紙とインクにもよるが、全く違う色に見えることさえある。
 学生が希望したのであれば、教員が断固として阻止するべきだ。というか、キヤノンの担当者の方が止めてくれると思うんだけれど…。


 とにかく、卒業制作展っていうのは、外部の人に勉学の成果を見てもらうところでしょ? 写真学科なんだから、写真作品をちゃーんと、正しい色、まともな階調で見てもらわなきゃ、どうすんだよ。
 まさか、おしゃれでシックな雰囲気を味わってもらおうとか、そーゆー目的で開催したんじゃないよね?


 学生の作品は、ラウンジの壁飾りじゃないっての!


 島田洋平が絶賛していた永尾の作品。確かに、大阪芸大の写真学科にしては『現代的』な作風で、構成の甘さを割り引けば、なかなか面白いとは思う。
 けれども、残念なことに、照明のせいで釘も鋏も金属的な緊張感が削られ、風船の赤は瀕死の状態。これじゃあ、作者が可哀想だ。この作品については、特に、作者の意思でこの照明にしたのだとは到底思えない(タングステンの色が赤を殺すのは、素人でもわかる)。


 この作品群は、あと一歩踏み込んでいたらもっと良くなるのに、と思う。どこか遠慮気味に感じてしまった。これは『推測だけれど、言葉で説明しなければ、という意識のせいで、言葉にできない部分を映像に昇華できなかったのかな、なんて気もしてくる。


 いろいろと書いたけれど、要は「もう少し学生のことを考えてやってよ」ってこと。


[PR]
by horonekop | 2015-03-07 16:59 | 日記・その他

 学生の作品の善し悪しについては、個別にアドバイスする。よって、以下の文章は、個々の作品や作者である学生について、批判したり褒めたりするものではない。
 ただ、こんな事実があったよ、という報告だ。


 僕が先生をやっている写真クラブ。メンバーには高齢のベテランが多い。
 先日の例会の帰り際、会員のFさんが「卒業制作展を見てきましたよ」と話しかけてきた。大阪芸大写真学科の卒業制作選抜展のことである。
 Fさんはスナップや夜景の得意な人で、最近は造形的・抽象的な被写体にのめりこんでいる。温和でまじめな性格。口数は少なく、批判や悪口など聞いたことがない。自分から積極的に話しかけるタイプでもない。そんなFさんが珍しく声をかけてきた。
 「どうでしたか?」と感想を尋ねると、こう言った。
 「ニコン(サロン)は隣(bizで開催していた写専の修了点)の方が活気がありましたね。専門学校は2年で社会に出るからでしょうか、緊張感がありました」
 「で、芸大の方は?」
 僕が尋ねると、「そうですねぇ…」と言って口ごもった。
 僕の教え子たちが出展していることは、当然ご存じ。Fさんは、なんだか申し訳なさそうな様子だ。
 「あ、遠慮なく。感じたことを正直に言ってください」
 すると、声を少し小さくして、遠慮気味にこう言った。
 「なんだか、若い人たちが楽しんでやっておられるなぁ、という感じでしたね」
 繰り返すが、Fさんは温和な人だ。写真の講評会で他の人の作品の感想を求めても、批判的な発言はしない。そんなFさんのことだから、この発言はかなり精一杯の『批判』なのである。
 「若い人たちが楽しんで」とは、つまり「趣味の延長レベル」ということだろうか。
 僕は「おっしゃるとおりです。これは、学生個々の問題と言うより、指導の問題だと思います」と応えておいた。


 温和でおとなしくまじめなFさんがこう言うのだから、見に来た一般の人たちはもっと辛辣な感想を抱いたことだろう。


[PR]
by horonekop | 2015-03-07 16:56 | 日記・その他